Sunrise

Masabumi Kikuchi Trio

発売日 : 2012/03/16 レーベル: ECM Records
メインアーティスト : 菊地雅章トリオ
ジャンル：ジャズ

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日本人ピアニスト「プーさん」こと菊地雅章は、1960年代初頭にキャリアをスタートさせて以来、数多くのミュージシャンと共演し、レコーディングやツアーを行ってきた。ジャズ・ファンの間では、故ポール・モチアン、ゲイリー・ピーコックらとともに数十年前に結成したトリオ「Tethered Moon（テザード・ムーン）」や、モチアンの「Trio 2000」での活動で知られている。菊地は、ユニークで象徴的なスタイルを持っていると評価される。『サンライズ』は、2009年にモチアンとトーマス・モーガン（コントラバス）とのトリオで録音した、即興によるECMデビュー作。モチアンが参加した最後のスタジオ・セッションでもある。全10曲のほとんどが4分から7分の長さで、1曲は7分少々、または2分程度の短い曲もある。というのも、この録音は基本的に「バラード」をベースに自由に即興演奏された組曲であるからだ（1曲目と中盤と最後に、タイトルに「バラード」という言葉が入った曲が置かれている）。ミステリアスで直感的でありながら、意図的に非体系的な形式へのアプローチを披露している。転調やわずかなテンポの変化は突然起こり、やがてその魅力が尽きたかのように消え去ったかと思うと、後から戻ってきたり。しかし、菊地のタッチに迷いはない。彼の和声表現は本能的で、機知に富み、時に控えめで、時に微妙に不協和音を響かせるが、常に説得力がある。モチアンの揺るぎないメロディックな時間感覚は、それぞれの瞬間に存在し、多くの移り変わりを予期しているかのようであり、モーガンのベースは脈打つというより揺らめく。ピアニストの非の打ちどころのない方向感覚とその中心的な存在感に従って、形と陰影のある点描的な瞬間が主張される。繊細さとエレガンスに溢れながら、叙情的な発明とリズムの流れはほとんど先鋭的である。『サンライズ』は、そのタイトルのように、徐々に展開する詩的な衝撃作である。

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Sunrise

菊地雅章トリオ

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Ballad #1